2015/03/27
歯科医院でのレントゲンの被曝量
東日本大震災ののち、多くの方々が放射能の被曝に関してとても敏感になりました。千種区のみなさんも決して例外ではないと思います。当院を訪れる方の中にも、歯科医院でのレントゲンに関して心配なさる方がたくさんいらっしゃいます。歯医者さんの側で説明しても、聞く耳をもたず、とにかく心配だからレントゲンはしないで欲しい、という方もおられるくらいです。そこで改めてこの問題についてお話し、千種区の皆さんにも安心していただきたいと思います。
歯科医院で行うレントゲン撮影の主な種類には、通常の口腔内撮影、歯科用パノラマ撮影、さらに、CT撮影があります。歯科用パノラマ撮影は口全体をレントゲン写真として撮影する方法です。全体の大まなか歯の状況、神経の位置などを知るために使われます。親知らずの抜歯をしたことがある方は撮影経験がおありかもしれません。また、CT撮影では、レントゲンよりもさらに詳細で鮮明な画像を得ることができます。
東京歯科医師会が出している資料によれば、口腔内撮影1枚とると、被曝量は0.01mSv(ミリシーベルト)、歯科用パノラマ撮影は1回0.03mSv、CT撮影であれば、1回0.1mSvになります。もちろん、歯科医院の用いている機器によっても多少の違いはあります。
ただ、こんなデータだけ提示されても安全なのか、危険なのかよくわからないと思いますが、日本人の自然放射線量は年間で平均1.5mSvと言われています。そう考えると、すくなくともレントゲンに関しては微々たる被曝量だと言えそうです。さらに言えば、100mSvでは、癌などの発生確率は限りなくゼロとされていますから、よほど頻繁にCTの検査を受けるのでもない限り、過度の心配は必要ない、といえるでしょう。
こうしたデータが確立されていますので、歯医者さんの視点から言わせていただくなら、最小限の被曝で済むなら、有効な治療のためのレントゲンはむしろ必要ということになります。例えば、レントゲンを撮って虫歯や歯周病を発見できるなら、その被曝は有効だったといえるのです。ですから、「被曝」と聞くだけでその量がどのくらいなのかも確かめず、レントゲン治療を受けない、というのは決して賢明なことではありません。
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