2015/02/27
乳歯でも神経を抜く必要はあるのか?
大切なわが子にはいつまでもきれいな歯でいて欲しい、それが親御さんたちみんなの願いでしょう。
しかし、残念なことに虫歯になり、しかも気づいたときにはけっこう大きな虫歯になっている、ということが千種区の子どもたちの間でも見られます。
もちろん、今では多くの歯科医院ができるだけ歯の神経を残す治療法を行っています。けれども、虫歯がかなり進んで神経の奥まで行ってしまっていると、神経を抜くしか方法がないということもあります。
歯の根管治療(神経の治療)ですが、実は大人と子どもの治療に大きな違いはありません。どちらの場合も根管内の感染源を取り除き、きれいにしなければいけません。そのために、一般的には歯の内部の「歯髄(一般的に神経と呼ばれています)」を取ってしまいます。
根管治療では、感染源を取り除いただけでなく、さらには根管を封鎖するために、根管形成を行います。
歯髄を取った後でも、根管の内壁には細菌が染み込んでいるので、リーマーやファイルと呼ばれる手で回すドリルのような器具で、内壁を少しずつ削らなければいけませんし、消毒が終わった根管の中には密封性の薬を詰めて、細菌がそれ以上入らないようにします。乳歯の場合は生え変わりのときに歯根が吸収するため、永久歯とは異なり、吸収性のお薬を詰めます。
さて、子どもの根管治療は、治療上は大人と大きな差異がないと言いました。しかし子どもの場合別の問題があります。
それは、たいていの小さなお子さんが歯科治療そのものを怖がるという点です。ですから、まずは少しずつ歯医者さんに慣れてもらってから根管治療を始めるのが望ましいでしょう。
ただし、痛みが強く神経を抜かないと夜も眠れないという場合は、やむを得ずその場で神経を抜くことがあります。
神経を抜くと聞くと、とても痛そうなイメージがありますが、治療を行う際には麻酔をするので痛みという点ではそれほど心配はいりません。
ちなみに、一般的に海外では、乳歯の感染を起こした根管は、根管治療を行わずに、抜歯してしまうことが多いようです。
理由としては、根管治療は回数がかかるので、小さな子どもに、負担のかかる割にすっきりと治らずに再発する可能性のある根管治療を受けさせたくないというものが考えられます。
日本の歯医者さんでは、たいていは小さな子どもも根管治療を受けられます。でも、できることなら予防に力を入れて、歯医者さん通いをしないことを目標にしましょう。
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