2014/09/02
歯の神経を抜かなくてはいけないのはなぜか?!
「残念ながら、虫歯が深くて神経までいっていますね...。仕方がありません、神経を抜きましょう!」
と歯医者さんに言われるままに神経を抜いてしまった歯が2本ほどあります。そのあと知人に
「歯は神経を抜くと弱っちゃうから、できるだけ抜いちゃだめなんだよ」
と言われ、とても戸惑ったのを覚えています。
さて、どうして歯の神経を抜く治療が行われるのでしょうか。
まずは歯の神経の構造からみてみましょう。ご存じのように、どんな歯にも歯の中に神経と血管が通っています。レントゲン写真を撮ると、歯の中に黒く筋状のものが入っているのが見えますが、その部分が歯の神経がある「歯髄」と呼ばれる組織です。さて、歯の神経は歯によって数が異なります。前歯では1本、奥歯だと2〜4本ほどあります。この神経のおかげで、わたしたちは歯に触れたものが、熱いのか冷たいのか感じることができます。また、虫歯になったときには、歯にしみる感覚で早期に発見することが可能になるのです。
歯の神経はどれも、あご骨の中の太い神経にまでつながっています。そのため、ときどき1本の歯が悪くなっているだけなのに、ほかの歯全体も痛みを感じてしまうのです。また、歯の中の神経とは別に、歯の周り、歯と歯をつなぐ歯根膜と呼ばれる部分にも神経が張り巡らされています。そのため、たとえ歯の中の神経が治療でなくなってしまったとしても、歯がかみ合っているかどうかを感じることはできます。
では、いったいどんなときに、神経治療が行われるのでしょうか。それは、主に虫歯の菌が神経まで達してしまった場合です。歯は表面から数えると、主に三段階の層に分けることができます。一番表面はエナメル質と呼ばれる硬い部分です。虫歯が浅く、エナメル質にできているだけなら、麻酔なしでも痛みを感じることなく歯を削ることができます。そして、その下には象牙質と呼ばれる少し軟らかい組織がありますが、虫歯がそこまででとどまっていれば、多少痛みを感じるとしても、やはり神経の治療は必要ありません。
では、虫歯菌がさらにその下、歯髄と呼ばれる組織まで進行していたらどうなるのでしょうか。もしも神経を腐らせているとしたら、菌に感染してしまった膿んでいる神経を放っておくわけにはいきません。取り除いて消毒することにより、それ以上菌が進行するのを防ぐ必要があります。
もちろんだれでも歯の大切な神経を抜きたくはありません。しかし、一度感染してしまった場合には、最悪神経を抜くことが必要になると覚えておきましょう。ただし、今はできるだけ神経を残す方向で治療を行う歯科医院が増えてきています。千種区にも良い歯医者さんがいっぱいありますから、じっくり探して最善の歯科治療を受けてください。
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