むし歯のない子を１０００人育てる

当院にはお子様がたくさん通って頂いています。
笑顔で帰られることが多いのですが、中には泣いてしまうお子様もいらっしゃいます。

時にはやむを得ず、嫌がっているお子様に治療が必要な場合があります。
今治療をしないと更に大変なことになってしまうからです。
泣き叫ぶお子さんの治療は困難を極めます。治療後お子さんはもちろんのこと、お母さんも目に涙を浮かべています。
治療をしたドクターも陰でこっそり泣いているのを見かけたことがありました。

「自分の治療で、お子さんの心を傷つけてしまったかもしれない、けれどもしょうがなかったんだ。ごめんなさい。ごめんなさい。」って心の中で謝っているいるような表情でした。
治療が終わっても喜ぶ人はだれもいません。とてもつらい光景です。

むし歯で苦しむお子さんとママを見るうちに「むし歯のない子を育てたい」、いつしかそう思うようになりました。
予防歯科の本を読み、海外の文献を調べ、様々な薬剤を準備し、まず自分の息子3人に予防歯科を実践しました。
長男は理想的な予防を徹底しました。
次男はその中で家庭でできるものを厳選し予防を行いました。
三男は実際の家庭をイメージして、すべて妻に任せ、必要最低限の予防と3ヶ月毎の検診を行いました。
結果は3人はまだ途中ですが、虫歯になったことがが一度もなく過ごしています。
「これなら各家庭でできる！」とむし歯予防の可能性を感じるようになりました。

地域への貢献の大きな柱として、現在このビジョンを掲げています。
このビジョンを実現するためには、一般的な歯科医院レベルの予防歯科を実践しているだけでは、絶対に実現できません。

例えば、エビデンスに基づいた予防歯科の実践や、親御さんとお子さん自身への予防の啓蒙。
さらに食育や生活習慣についてのアドバイス。
院内にとどまらず、地域の方に向けた啓蒙活動などなど、本当に多くのことをしていかなくてはいけません。

歯科医師はもちろんのこと、全ての職種がスキルアップ、知識アップをし続け、健康の素晴らしさを患者さんに語りかけ続ける必要があるのです。

つまり、来院される全ての患者様の口腔内をまずはしっかり治し、健康の素晴らしさを知っていただき、
そして正しい知識を身につけてもらう必要があるのです。
それを全員が力を合わせて、実現していきたい、実践し続けたいという想いが、このビジョンに込められているのです。

また、計算をすると現在の理事長の代だけでは、１０００人という達成が難しいかもしれません。
このビジョンを実現するには、今の理事長の田中が退いたとしても、
「文化」として予防の啓蒙、良質な歯科医療の提供が院内に根付き、地域に向けて啓蒙し続ける医院である必要があるのです。

その結果、名古屋の千種区という地域が「予防歯科のモデルケース」となるような未来を夢見て、当院は日々診療を行っています。

名古屋で一番働きやすい歯科医院を目指す

インパクトがあるので「一番」と言っていますが、これにはあまり意味はありません。正確には、
メンバーが心から「たなか歯科を選んで本当に良かった」
「こんな職場ほかには見当たらない！」
と言ってもらえる歯科医院』を目指すということです。

入社直後からキャリアを重ねている時はもちろん、旦那さんの転勤や定年退職など、
何らかの理由で退職した後までそう思い続けてもらえるような場を、みんなで一緒に創ることが私たちの夢のひとつなのです。

「働きやすい」というのは、福利厚生や給与面などの条件面について整備されていることは当たり前として、その先のことを表しています。
人それぞれ、家庭や自分を取り巻く環境がまるで違います。
特に女性の場合、独身、結婚、子育てとライフスタイルが変化していきます。
時代とともに社会環境も変化するかもしれません。

仕事で家庭が犠牲になってほしくないという思いがあります。
そのためにはこれらの変化に絶えずついていける柔軟性のある歯科医院にする必要があると思います。

さらに大切なのことは「人間関係の良好さ」です。
一日のうち大半を過ごす職場での人間関係が崩壊していては、いくら給料が良くても働きたくない職場になってしまいます。
互いを尊重し、大切にできる仲間が集う歯科医院を目指しているのです。
そして、この想いを理解し、大切にできるメンバーが集まることで、「真の働きやすい歯科医院」が実現していくのだと思います。

歯科界で活躍できる人材の育成

それぞれの職種で、なって欲しい姿はこちらのページに詳しく書きましたが、
職種に関係なく、院内でも院外でも自信を持って活躍できる人材を育成していきたいと思っています。

歯科医師であれば開業後の成功はもちろんのこと、開業をしなくても臨床のプロフェッショナルとなっていただいたり、
得意な分野を伸ばして自信を持ってほしいと思っています。

歯科衛生士であれば、患者さんへの貢献はもちろん、
全国の歯科衛生士や、歯科衛生士学校の学生の皆さんに歯科衛生士の素晴らしさを伝えたり、
言葉ではなくとも示せたりするような自信と実力を身につけてほしいのです。

受付、歯科助手は当院には新卒で入社したスタッフや、管理栄養士の資格を持っているスタッフ、
販売職のプロフェッショナルとして経験があるスタッフ、大手航空会社勤務をしていたスタッフなど、様々な特技や個性を持っています。
それぞれが能力、個性を生かし、新しい歯科スタッフ像となるレベルまで、輝いてほしいのです。

そんな、当院のメンバーの姿を見て、「大きくなったら、歯医者さんで働きたい！」と言ってくれる子供たちが続出するような、
そんなキラキラしたスタッフたちになってほしいと願っています。

それが、当院が目指す「歯科界で活躍できる人材」ということです。

歯科医師は私にとって天職だと思っています。
自分を成長させ、温かく見守ってくれているこの歯科界に対して、活躍できる人材の育成こそが、自分にできる最大の貢献だと思っています。

同じ業界で、悩んだり苦しんでいる方々に勇気や希望を与えてくれたら。
歯科医療の素晴らしさを同業者だけでなく、一般の方々にも伝えられる人材が育ってくれたらどんなに素晴らしいことでしょう。
そんなことを日々思いながら診療をしております。