医院ブログ

口臭と歯周病

男性であっても女性であってもお口の臭いは気になるものですよね。自分で口臭に気がついて、歯を磨いたりお口をゆすいだりと気を付けているのにいっこうに口臭がなくならない…。そんな方は、もしかしたら歯周病にかかっているのかもしれません。

歯周病というのは、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨が溶けてしまう病気のことです。以前は歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれることが多かったのですが、今では歯周病という呼び方のほうが一般的です。35歳以上の日本人の多くがこの病気を持っていると言われていますが、この歯周病が口臭の原因になっていることがあるのです。

実際に、過去の研究により歯周病と口臭の間には高い相関性があることがわかっています。歯周病になると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」呼ばれる溝ができます。これが細菌に格好の住みかを提供してしまいます。細菌の中でも嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンと呼ばれる物質を産生するのですが、これが口臭のもととなります。もちろん、人それぞれ匂いがあるのと同様、口の中にも臭いはあります。しかし、他の人に不快な気持ちを与える匂いになってしまうと、それは「口臭」と呼ばれるのです。

では、歯周病になっているかどうか自分でチェックしたい方に、次の5つのポイントをお教えしたいと思います。歯茎からよく出血するかどうか、歯茎がよく腫れるかどうか、口の中がネバネバするかどうか、グラグラした歯があるか、そして、歯と歯の間に物がよく挟まるかどうかです。もしも、この5つが当てはまるなら、歯周病の可能性がかなり高いです。早めに歯科医院を訪れて、歯周病になっていないかどうか専門家に診てもらいましょう。

「国際歯科雑誌」(英語)には、「深刻な公衆衛生問題」となる口腔疾患の中に、歯周病が挙げられています。また、歯周病が「苦痛、機能障害、生活の質の低下などの形で個人や社会に及ぼす影響は大きい」とも書かれています。ですから、歯周病の疑いがある方も、そうでない方も早めの対処によって、苦痛を最小限にとどめましょう。千種区の歯医者さんも、みなさんのお口の健康を応援しています。

子どもの虫歯

「痛いのはいや!」と言って、歯医者さんに行きたがらない子どもたちが大勢います。
残念ながら、歯科医をしている限り、子どもたちから多少恨まれてしまうのは避けられません。

しかし、わたしたちは子どもたちみんなにできるだけ痛くない治療を受けて欲しいと願っていますし、それ以上に子どもたちが虫歯治療を受けずに済むことを願っています。
さて、今日はそんな願いもこめて、子どもの虫歯の特徴についてお話ししたいと思います。

子どもと大人の大きな違いは、子どもの歯は永久歯ではなく乳歯だということです。
「どうせ生え変わるんだから、今は虫歯になっても大丈夫!」と考えて安心してしまいがちですが、残念ながら、乳歯のときに虫歯がたくさんある子どもは、大人になってからも虫歯ができやすくなってしまいます。
ですから子どものうちに、虫歯のない健全なお口の環境を整えてあげることはとても大切です。

子どもの虫歯には、いくつかの特徴がありますが、その一つは歯と歯の間にできやすいことです。
特に奥歯の歯と歯の間にできるため、見た目にはわかりづらく、虫歯が進行していても気づかずに、突然穴が空いてしまうことがあります。
予防のために、毎晩デンタルフロスなどを使って歯と歯の間の汚れをしっかり取ってあげましょう。

興味深いことに、子どもの虫歯は黒くなく、白いことが多いです。
白い虫歯は早く進行するタイプの虫歯で、虫歯になっていることがわかりづらいのが特徴です。
しかも、子どもは痛みの感覚が大人ほど発達していないため、痛みがあっても気づきにくく、知らぬ間に大きな虫歯になっているということも多々あります。
虫歯の痛みより、虫歯の穴に詰まった食べカスが、歯茎の炎症を引き起こし歯茎の腫れの痛みで歯科医院を訪れるケースもあります。

子どもたちの食習慣は乳児の時から刻々と変化していきます。その変化に伴い、甘い食べ物のおいしさを覚えてしまうと、糖分を取る量がだんだんと多くなり、気が付くと虫歯になりやすい口内環境が出来上がっているということもあります。虫歯を作らないためにも、日ごろの食習慣によく注意しましょう。

小さな子どもたちは、自分で自分の歯を守ることができません。千種区の親御さんたちが、子どもたちの虫歯予防に力を入れてあげるよう心から願っています。

歯の神経を抜かなくてはいけないのはなぜか?!

「残念ながら、虫歯が深くて神経までいっていますね…。仕方がありません、神経を抜きましょう!」
と歯医者さんに言われるままに神経を抜いてしまった歯が2本ほどあります。そのあと知人に
「歯は神経を抜くと弱っちゃうから、できるだけ抜いちゃだめなんだよ」
と言われ、とても戸惑ったのを覚えています。

さて、どうして歯の神経を抜く治療が行われるのでしょうか。
まずは歯の神経の構造からみてみましょう。ご存じのように、どんな歯にも歯の中に神経と血管が通っています。レントゲン写真を撮ると、歯の中に黒く筋状のものが入っているのが見えますが、その部分が歯の神経がある「歯髄」と呼ばれる組織です。さて、歯の神経は歯によって数が異なります。前歯では1本、奥歯だと2〜4本ほどあります。この神経のおかげで、わたしたちは歯に触れたものが、熱いのか冷たいのか感じることができます。また、虫歯になったときには、歯にしみる感覚で早期に発見することが可能になるのです。

歯の神経はどれも、あご骨の中の太い神経にまでつながっています。そのため、ときどき1本の歯が悪くなっているだけなのに、ほかの歯全体も痛みを感じてしまうのです。また、歯の中の神経とは別に、歯の周り、歯と歯をつなぐ歯根膜と呼ばれる部分にも神経が張り巡らされています。そのため、たとえ歯の中の神経が治療でなくなってしまったとしても、歯がかみ合っているかどうかを感じることはできます。

では、いったいどんなときに、神経治療が行われるのでしょうか。それは、主に虫歯の菌が神経まで達してしまった場合です。歯は表面から数えると、主に三段階の層に分けることができます。一番表面はエナメル質と呼ばれる硬い部分です。虫歯が浅く、エナメル質にできているだけなら、麻酔なしでも痛みを感じることなく歯を削ることができます。そして、その下には象牙質と呼ばれる少し軟らかい組織がありますが、虫歯がそこまででとどまっていれば、多少痛みを感じるとしても、やはり神経の治療は必要ありません。

では、虫歯菌がさらにその下、歯髄と呼ばれる組織まで進行していたらどうなるのでしょうか。もしも神経を腐らせているとしたら、菌に感染してしまった膿んでいる神経を放っておくわけにはいきません。取り除いて消毒することにより、それ以上菌が進行するのを防ぐ必要があります。

もちろんだれでも歯の大切な神経を抜きたくはありません。しかし、一度感染してしまった場合には、最悪神経を抜くことが必要になると覚えておきましょう。ただし、今はできるだけ神経を残す方向で治療を行う歯科医院が増えてきています。千種区にも良い歯医者さんがいっぱいありますから、じっくり探して最善の歯科治療を受けてください。

できるだけ削らない!これが最新の虫歯治療

高校生の時ですが食事をしていたら、突然歯の詰め物が取れてしまったことがあります。
急いで歯医者さんに駆け込んだところ、詰め物を入れなおすために歯をかなり大きく削られてしまい、とても悲しい思いをしました。
もちろん、虫歯になってしまった歯の場合、ただ放置しておくわけにはいきません。必要であれば、虫歯の菌に侵された箇所を削ることもあるでしょう。
でも、できることなら自分の歯を少しでも多く残しておきたい、それがわたしたちみんなの願いですよね。
さて、そんな願いをかなえるためにも、虫歯治療は日々進歩しています。では最新の歯科治療は一体どうなっているのでしょうか。少し見てみましょう。

皆さんも「削らない治療」という言葉をテレビなどでお聞きになったことがあるかもしれません。
これは、歯をできるだけ削らずに残す方向で治療する治療法のことです。
従来の治療方法ですと、感染を起こした部分をしっかりと取るために、虫歯になっている箇所よりもかなり大目に削っていました。また、詰め物をきれいに入れ、かみ合わせをよくするためにも、健康な部分をさらに削る必要がありました。
しかし、現在一般的なのは、歯はできるだけ少なく削り、歯の神経もできるだけ残すという治療方法です。
それによりできるだけ長く、自分の歯を使っていただくことができるようになっています。

では、具体的にどうするかと言いますと、まず、治療を始める前に丁寧に診察を行います。
スピーディーな治療は大切ですが、焦って治療に取り掛かるのは禁物です。
少し時間はかかりますが、きちんとした診察があってこその良い治療です。

さて、最新機器一つに、ダイアグノデントという虫歯の進行度をレーザーで診断する機器があります。
それによって、虫歯がどこまで進行しているのか、どう治療するのが最善か、しっかりと見極めることが可能になります。他にもさまざまな医療機器が出ています。歯科医院によって使うものは違いますが、歯医者さんからよく説明を受けて、信頼のできる治療法を選びましょう。

虫歯が深く、神経に達している場合などは、以前であれば神経を抜く治療が一般的でした。
もちろん、今でも必要があれば神経を抜くことはありますが、できるだけ神経を残せるように治療するよう方向性が変わっています。
例えば、消毒作用のある薬品などを使いながら、段階的に治療することで、感染していない神経の温存がより可能になりました。

千種区の歯科医院も、みなさまができるだけ長くご自分の歯で生活を楽しめるよう心から願っています。
虫歯があれば、早めの来院をお勧めしますが、予防は治療に勝ります。
ぜひ、毎日の良い歯磨きの習慣を保って、健康で豊かな生活を送りましょう。

2014/08/19 虫歯とは一体何なのか?!

子どものころ、
「甘いものばかり食べていると、歯が痛くなるよ〜」
という注意を受けたことのある方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、子どものころから歯医者さん通いをしていた方の多くは、甘いおやつが大好きだったかもしれません。
(実は私自身そうでした)
でも、一体虫歯とはなんなのでしょうか。本当に甘いお菓子が原因で、歯が痛くなってしまうのでしょうか。
歯科学的にはどうなのでしょうか。

歯は体の組織の中で一番硬い組織と言われています。
歯の表面を覆う「エナメル質」と呼ばれる部分は、宝石の水晶と同じくらい硬い物質です。
そのため、ちょっとやそっとのことでは傷ついたり、割れたりはしません。
しかし、不思議なことに虫歯になるとその硬いはずの歯に、穴があいてしまうのです。

その原因は、歯垢(しこう)にあります。ご飯やお菓子を食べたあとに、歯の溝や歯と歯の間、歯と歯茎の境目に、細かな食べカスが残ってしまいます。
この食べカスがやがて、歯垢という白くネバネバとしたものへと変化します。この歯垢こそ、虫歯菌のかたまりなのです。

虫歯菌は、食べカスをえさとして、酸という排泄物を作ります。この酸が歯のエナメル質の部分を徐々に溶かしていくのです。この原理は、酸性雨と金属の関係に例えることができます。硬い金属が酸性雨に打たれ続けることにより、さびたり、溶けたりしてしまうように、硬いエナメル質も、虫歯菌の作りだす酸により、少しずつ溶かされてしまい、穴が開いてしまうのです。この状態が虫歯です。表面の「エナメル質」の部分が溶けただけなら痛みはありませんが、その下の「象牙質」まで虫歯が届くと、時々甘いものや冷たいものがしみて痛みが出ることがあり、さらにその下の「歯髄(神経と呼ばれています)」にまでいくと、熱いものまでしみたり痛むようになってしまいます。

歯医者さんが、虫歯になりたくないなら歯磨きをよくしなさいといいますが、それはこの虫歯菌のえさだったり、ムシ歯菌のかたまりである歯垢をよく落とすようにということなのです。
歯垢はとてもねばねばしていて、歯にくっつきやすく、水には溶けません。ですから、歯磨きをして、ブラシでこすり落とすのが虫歯予防の一番よい方法です。

千種区の子どもたちが歯科医院を訪れる主な理由も、虫歯治療です。
虫歯について少しわかったところで、今からしっかりブラッシングをする習慣を身に着けて、虫歯を予防しましょう。
目指すは、虫歯ゼロの健康的な歯です。

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