安すぎて怖い?歯科治療編
もし定価400円の牛丼が1/10の値段40円で販売されていたら、皆さんどう思われますか?
「ああ、期間限定なのね!」
と思われるのではないでしょうか。
でも期間限定ではなくレギュラーメニューだったとしたらどうでしょう。
40円。
うまい棒4本分の値段で、人件費やテナント代、材料費、光熱費、宣伝広告費のことを考えると、この値段で牛丼を出すことはできないことは分かります。
「もしかしたら、ちゃんとした肉を使っていないのかも」
とか
「廃棄処分のものを出しているのか」
とかいろいろなことを考えると思います。
きっと「健康被害」があるかもしれないので食べない人も多いのではないでしょうか。
(今回たとえ話で牛丼を出したのはお昼に食べたのが牛丼だったからです????)
あまりにも常識では考えられないくらい安いものに人々は警戒します。
実は歯科治療でも絶対に採算が合わない治療があります。
それは「歯内療法」です。
一般的に「神経を取る」とか「根の治療」と言われています。
世界的に見て日本の歯内療法の治療費は10分の1。
それは治療費の高い先進国との比較ではなく、発展途上国と比べてです。
(先進国と比べたらなんと20分の1です)
採算度外視の治療と聞いて、
「なんてお得!!????」
って思われるかもしれません。
でもよく考えてください。材料費にもならない治療。
やればやるほど損をする治療。
これが何十年も続いているのです。
結果的にどうなったか?
抜髄(神経を取る)処置の成功率
欧米:90%以上????
日本:40%以下????
痛みが収まって無症状でも炎症は続いています。
レントゲンやCTを撮ると多くの場合根尖病巣(根の先の炎症)が残っています。
たまにこの炎症が急性化することもあり、とてつもない痛みを引き起こします。
(フェニックス膿瘍。今度このケースを投稿予定です)
昭和30〜40年代、日本はむし歯の洪水でした。
朝から歯科医院の前に行列ができ、必死に当時の歯科医は診療にあたりました。
治療はほぼ「応急処置」レベル。それしかできなかったのです。
歯科医のほとんどは腰は曲がり、寿命も短かったと聞きます。
その後国は歯科医を増やし、むし歯の洪水が収まった現在。
どれだけ丁寧に行っても先述の通り40年ほど前の評価と応急処置レベルの治療が引き継がれ
そしてそのまま令和を迎えているのが現状です。
日本でも最近は欧米の治療を学ぶ歯科医が多くなってきました。
私と西尾はトロント大のフリードマン先生から専門医教育を受けています。
歯内療法の専門医を目指す日本人出席者の多くは健康保険を捨て自費治療で行う傾向にあります。
また以前米国、韓国、スウェーデンの歯科医とお話しましたが、
日本の現状を伝えると皆口を揃えて、
「日本の歯科医でなくて良かった」
と言います。
国内歯科大学附属病院でさえ、マイクロスコープ の治療は自費治療になっています。
今後きちんとした治療を受けたい方は保険治療の限界も知っておくと良いと思います。
話は元に戻りますが、牛丼と言えば、、、
以前学会出席の時、時間がなかったのでお昼に牛丼屋さんで牛丼を食べました。
そしてその夜に学会出席者の方々と某ホテルで食事をしました。
その時に僕が注文したのは”Oriental beef bowl”。
なぜか日本なのに英語表記しかないメニュー。そしてよく分からず注文して出てきたのは牛丼でした。
「また牛丼かい!!」????
食べてみると牛丼というよりは、すき焼がご飯の上にのっている感じです。
メニューで一番安くても僕がいつも食べるものより5倍以上高価でした。
高級な牛肉でしょうが、僕にとっては甘すぎ。
同じ牛丼でも求めるものが違えば満足度も変わります。
高ければ良いというわけではないようです。
歯の治療にもどしますが、結局のところ
保険治療でも治るケース
保険外の治療が必要なケース
そもそも保存が無理なケース
があります。適切な診断がとても重要です。
保険治療でも治るケースはたくさんあります。
しかし保険治療で治らなかったケースは更なる保険治療で治る確率はとても低くなります。
保険治療で何でも治療できるって言う歯科医いたら、
「あなた、それはウソでしょ?」
って僕は思います。
疑った方が良いでしょう。
松阪牛のステーキが400円では無理なように。
歯科医院乱立のご時世、患者さんに迎合するような表向きは優しい歯科医が多いのが現状です。
主治医と良く話し合い説明を受けたうえで治療を受けることが何より大切です。
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