セラミックの特性
明けましておめでとうございます!
たなか歯科クリニックの歯科医師、岡島多翔幸です。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
先日、年始に親戚で集まった際、セラミックについて質問を受けました。
患者様の中には、「セラミックは、保険外の自費治療であることはなんとなく分かるけど」って方も多いですよね。
本日のブログでは、セラミックの話についてお話したいと思います。
セラミックというものは、無機物を加熱処理して固めたものの総称を言います。狭義的には、陶磁器をセラミックとして扱います。
本来、無機物を焼き固めたものがセラミックというわけですから、ジルコニアもセラミックの一つとなるわけです。歯科では、便宜的にセラミックのうち、ジルコニアでない陶器をセラミックということが多いです。
セラミックの特性としては、「見た目がいい」というのは勿論なのですが、「とても硬い」という特性が挙げられます。
ものの強度を評価する際、圧縮強度(ものを押しつぶした時、砕けるまでの力)や曲げ強度(ものを真ん中で固定して両端に力をかけて曲げて、割れるまでの力)というスケールが使われるのですが、
e-max.をはじめとするセラミックの曲げ強度は、
400Mpa(メガパスカル)
さらに強度のあるジルコニアの曲げ強度は、
1000〜1300Mpaもあり、
圧縮強度にいたっては、
2000Mpaもあります。
歯のエナメル質と象牙質の強度、
エナメル質:圧縮強度200〜450Mpa、曲げ強度80〜90Mpa
象牙質:圧縮強度250〜300Mpa、曲げ強度150〜300Mpa
を比較するとよく硬さが分かります。
また、e-max.などのセラミックやジルコニアは、レジンセメントを使って歯に「接着」させるので、より強力に歯にくっつけることができます。これもメリットの一つです。
これらの材料のデメリットとしては、セラミックの特性の「脆さ」を補うために歯をより削らなければならないことが挙げられます。
セラミックは、硬いものの、衝撃に弱く、脆くて割れやすいのです。硬いイコール脆くないと思いがちなので、イメージしにくいですよね。
この欠点を補うべく、歯をより1mm程度より大きく削り、セラミックに厚みを持たせるわけです。
近年、歯科材料はめまぐるしい発展をみせています。それぞれの物性を理解した上で、治療を進めることはとても良いことです。
分からないことがあれば、いつでもご相談ください。
たなか歯科クリニック
岡島多翔幸
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