むし歯予防のために知っておくべき!子どものおやつの仕方とは?
こんにちは!千種区たなか歯科クリニックの歯科医師の島田実果です。
新型コロナウイルスの感染拡大によって食生活の乱れや、自粛生活で治療を控える子どもも少なくなく、子どものむし歯の増加が懸念されています。また、コロナ禍でストレスを抱えている子どももいます。ストレスによる口の渇きがむし歯のリスクを高めるほか、マスクで常に口を隠すことによる気の緩みも治療の放置につながりやすいので注意が必要です。
特におやつがお子さんのむし歯を増やしてしまっていると頭を悩ませている方もいらっしゃることでしょう。今回は、むし歯になりにくいようなおやつの仕方についてご紹介したいと思います。
おやつの回数が多い子どもほどむし歯になりやすい傾向がある、ということは多く報告されています。おやつはだらだらと何度も行うのがよくないのです。むし歯の原因菌である細菌(ミュータンス菌)は、まず歯に付着して歯垢(プラーク)を作り、食べ物に含まれる糖質を使って酸を作ります。この酸が、エナメル質の内部から歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし始めます。(これを「脱灰(だっかい)」といいます)
しかし、脱灰が進行しても口の中の唾液が細菌の作り出した酸を中和して洗い流したり、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す働きをしてくれます。これを「再石灰化」といいます。毎日の歯磨きで使っている歯磨き粉の多くには、この再石灰化を促進する「フッ素」という成分が含まれています。
ところが、おやつを頻繁にして脱灰が何度も繰り返されると、再石灰化が間に合わず、むし歯になってしまうのです。
むし歯を防ぐためには、糖分が少ないお菓子が理想です。とはいえ、お菓子のほとんどには糖分が含まれています。なので、糖分が入っていてもすぐに食べ終わって、歯にくっつきにくいものを選びましょう。例えばおせんべいやアイスなどです。その他にも砂糖を使っていないビスケットやクラッカー、プリン、ゼリー、ナッツ類のほか、お菓子ではないですが果物、さつまいも、かぼちゃ、するめなどがおすすめです。砂糖の代わりとしてキシリトールやソルビトールなどの甘味料を使っているお菓子を選ぶのも一つの方法です。
そしておやつは回数を少なく、時間を決めてなるべく短時間で食べるようにしましょう。また夜眠っている間は、唾液の分泌が低下するため、むし歯のリスクが非常に高まります。夜寝る前にはなるべく糖分を摂らないようにしましょう。また今の時期は特に、熱中症防止の観点からジュースやスポーツドリンクといった糖分を含む飲み物を飲むことも多くなります。糖分を含む飲み物もおやつと同様に、むし歯のリスクを高めるので、極力控えてなるべくお茶や水などを飲むようにしましょう。
とはいえ、甘いものを一切食べてはいけないわけではありません。甘いものを食べる喜びもあるので、楽しみのために甘いものを食べる時間を大切にしてもいいでしょう。しかし、食べさせた後にはしっかりと歯磨きをするように気をつけてください。おやつの後にすぐ歯磨きができない場合は、ブクブクうがいをするだけでもかまいません。
幼い頃からむし歯になりにくいおやつの習慣をつけていれば、お子さんも苦に感じることはないでしょう。ある程度大きくなったお子さんには、むし歯になる仕組みを説明して、おやつの食べ方を親子で一緒に考えてみてもいいですね。歯医者さんでの定期的な検診も忘れずに受けましょう。
千種区たなか歯科クリニック 島田実果
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