歯医者の麻酔は、「浸み込ませる」が基本!
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の満田誠です。
今回も、麻酔のお話です。
皆さん、よく考えると不思議に思ったことはありませんか?
「歯の治療のとき、いつも歯茎に麻酔をするけど……あれ? 歯の神経って、歯の中にあるんじゃないの? それに、その歯だって骨に埋まっているんでしょ? 何で歯茎に麻酔をしただけで、歯の神経にまで効くの??」
確かにそうですよね。歯の神経に麻酔をしたいなら、歯に直接 麻酔針を刺せば良いのに 何故でしょうね?
「!!! もしや、歯茎に刺した針は、骨や歯までも貫いて歯の神経までズブッと届き、薬液を注射するんだな⁉ ブルブル…、考えるだけでもコワい!!!!」
いやいや、違うんです。注射の針先は、決して骨にまで刺さってはいません。本当に”歯茎”に麻酔薬を入れているんですよ。
では、歯茎内への麻酔をしただけで、どうして歯の神経まで痺れるのでしょう??
答えは、『麻酔薬を、歯の神経まで浸透させて効かせている』のです!!
これを “浸潤麻酔” といいます(我々は略して”浸麻”と呼びます)。歯科で行う麻酔は、この浸潤麻酔が基本です。
前述のとおり、歯の神経は周りをとても固い組織に覆われています。注射針を直接刺そうとしても、骨や歯に阻まれて当然刺さりません。
そこで、まず軟組織である歯肉に注射をして麻酔薬を貯留させ、その歯肉と骨の間に溜まった薬液をジワジワと骨の中に浸み込ませていきます。
その薬液は、やがて歯根尖(歯の神経が骨の中の神経と繋がるため、歯根から出る所。歯根の先端)へと辿り着き、麻酔薬が作用して歯自体に効くというプロセスなのです!
だから、私が患者様に「これから麻酔のお薬を 歯茎に浸み込ませていきますね」と よく言うこと、お分かりいただけましたか?
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
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