いちばんよく使用する歯科材料「コンポジットレジン」について
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の満田誠です。
皆様、ご覧になったことがありますよね? 治療において、ドクターがペンシル型の器械で「ピッ」と、患者様のお口の中に“青い光”を当てているのを。
これは、「光照射器」という器械を使って、ほとんどは材料やお薬を“光で反応させて固める”ための“光重合”という作業で、「ピッ」という音は光照射器のスイッチをオンするのと、数秒たってタイマー照射が終わる音なんです。
チェアサイドで最も多く用いる歯科材料である「コンポジットレジン」と呼ばれる白い詰め物は、この光重合操作により固まるので、虫歯の部分を削ってコンポジットレジンを詰め、形を整えてから、青い光を照射します。
この「光重合型」材料は、光が当たらなければ固まらないので、「化学重合型」と呼ばれる“時間の経過とともに少しずつ固まる”材料に比べ、作業時間が必要なだけとれて とっても便利なのです♪
照射器の光源には、ハロゲン・キセノン・LED等が用いられていて、効果に必要な波長の400~800nm(ナノメーター)の 青い可視光線を取り出し、照射します。
かつては紫外線で反応させていたのですが、近年は安全性を考慮し、人間の肉眼で見える可視光線を用いるようになりました。紫外線や赤外線をカットしていますので、歯や歯肉に悪影響がありません。
でも、あの青い色は大変眩しいので、皆様が目で直接見るのはご注意! キレイだからといって、ジーッと見つめるのはあまり目に良くないですよ~。 お子さんなどは特にお気をつけくださいね。
診療において最も多く使用する材料でもある、この「コンポジットレジン」。歯と同じ色をした、プラスチックの詰め物です。
“レジン”というのは、樹脂(プラスチック)。
“コンポジット”とは、“混合する、複合する”という意味。
コンポジットレジンは、レジン単体での欠点であった 強度や磨耗性などの物理的性質、また審美性を強化するために、レジンに“フィラー”と呼ばれるシリカ(ガラス)、セラミック、ジルコニアなどの粒子を混合して改良された材料で、我々はよく略してCR(Composite Resin)とも呼んでいます。
治療術式としては、虫歯を削ってキレイにした部分にペースト状のコンポジットレジンを詰め、青い光を照射して硬化させます。歯と接着する性質を持っているので、必要最小限の歯の切削ですみ、歯に近い色調のため治療箇所が目立ちません。治療時間が短く、1回で済む治療であるというのも良い点です。
小さい虫歯や、歯がわずかに欠けた状態の治療にはとても有効なので、診療の中でも良く用います。
しかし、全てのケースで可能な訳ではないので、注意が必要です。
広い面積や咬む力が大きくかかる場所の治療においては、強度不足で割れたり、すり減ったりしてしまいます。奥歯の詰め物や、歯ぎしりが強い方での治療においては、金属やセラミックでの治療が適切であることがあります。
また、時間がたつと変色してくる性質があるため、その場合は詰め替えや研磨が必要となります。
コンポジットレジンは、保険診療で白い詰め物ができるので利便性が高く、すばらしい歯科材料です。でも、前述のように、詰め物はその状況によって適応をよく考えて、材質・治療方法を選択することが大切ですね♪
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
お口ポカーン
みなさま、こんにちは!
歯科衛生士の高山です
暖かな春の訪れが近づいてまいりました。2月も中盤を迎え、新しい季節の足音が聞こえてきますね。
たなか歯科歯科医院では、引き続き皆さまのお口の健康をサポートするため、専門知識と技術を駆使して診療に励んでおります。このブログでは、歯の健康に関する役立つ情報や最新のトピックスをお届けし、より良いお口の健康を維持するお手伝いができればと思っています。
今月のテーマはお子さんの「お口ポカーン」と開けたままの癖についてお話して行きたいと思います
お口を開けたままという事はな鼻で呼吸せずに口呼吸になっているおそれがあります
そうするとさまざまなトラブルが起こりやすくなります
特徴
いつも口を開けている
喉が渇きやすい
イビキをよくかく
鼻が詰まっている
口臭がする
着色が付きやすい
3歳〜11歳頃までが多い
顔の特徴
ポッテリとした唇
低めの鼻
唇が閉じない
上唇あるいは下唇が前に出ている
あごが引っ込んでいる
原因
1 鼻が詰まっている
アレルギー性鼻炎などが原因で口呼吸をしている
まずは耳鼻科を受診し治療を受けましょう
2 唇などの筋力不足
大きな永久歯が生えてきて、噛み合わせが変化する頃は唇や舌などの周りの筋力の発達が追いつかずアンバランスになってしまうことがあります
お口ポカーン(口呼吸)の歯への影響
⚫️むし歯や歯周病の感染リスクが高くなる
口の中が乾燥し唾液の働きが悪くなります
唾液には初期むし歯を補修してくれる再石灰化を促したり、細菌の活動を抑え込んでくれる機能が十分に働きません、そのためむし歯や歯周病になりやすくなります
⚫️ 歯並びが悪くなりやすい
口を閉じないことによって、唇の力が前歯を押さえ込まないため出っ歯になりやすくなります
また、下あごがダラリと下がった舌に押され前に出て受け口になってしまうこともあります
お口ポカーンの体への影響
⚫️風邪を引きやすい
細菌が口から入り込みやすいのは勿論ですが、喉や扁桃腺が潤いを失って細菌やウイルスが張り付きやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症を起こしやすくなります
⚫️アレルギー性鼻炎との関連
お口が乾燥して炎症を起こしやすいことがアレルギー疾患の原因になることもあります
⚫️集中力が続きにくい
見た目に締まりがないだけでなく最近は集中力の低下に影響すると指摘する研究があります
⚫️睡眠時無呼吸症候群との関係
就寝中のお口ポカーンは舌がダラリと下がり気道を封鎖しやすくさ閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因になることもあります
息が苦しく睡眠が浅くなってしまい寝不足になってしまいます
お口ポカーンを治すには
まずは鼻が悪いお子さんは耳鼻科を受診して治療を受けましょう
鼻呼吸ができるなら唇の筋力をつける為のトレーニングをしてみましょう
歯科医院によってはでトレーニングを行っている所や計測器で唇の閉鎖力を測定してくれます
気になる様なら相談してみてくださいね
トレーニンググッズも発売されていますし、又は大き目のボタンに紐を付けボタンをくわえ紐を引っ張る方法もあります (1日30回位)
まずはお口ポカーンに気付きお口を閉じる習慣を付けましょう
筋力が付いてくるとキリッとした口元に変化してきます
すぐには改善しませんが焦らず時間を掛けて取り組みましょう
たなか歯科クリニック 歯科衛生士 高山
小児矯正と成人矯正
こんにちは!
名古屋市千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の関谷です。
みなさん矯正には、小児矯正と成人矯正があることはご存じですか?
今日は矯正についてお話します!
成人矯正は現状の骨格にあわせて歯を動かす矯正治療です。それに対して、小児矯正は将来的になるであろう骨格を予測し顎を広げる矯正治療です。
〇小児矯正について
小児矯正は、まだ成長途中の子供の歯並びや顎の発育をコントロールすることを目的としています。成長期に矯正治療を行うことで、土台となる顎の骨格自体を将来的に適切な歯並びへ促すための改善を行うことができます。そのため、小児期を終えてから歯列矯正が必要な場合でも抜歯をせずに矯正を行える骨格を獲得することできます。
小児矯正では、成長に合わせて歯並びを調整するための装置が使用されます。
〇成人矯正について
成人矯正は、成長がほぼ完了した大人の歯並びや、顎の問題を修正するために行われます。成人の歯は変動しにくいため成人矯正では、ワイヤーやブラッケットなど固定された装置が使用されることが一般的です。
歯並びの土台となる顎の骨格は定まってしまっているため、その範囲内で最適な歯並びを目指します。これにより歯の並ぶスペースが足りない場合があり、結果的に抜歯せざるを得ないこともあります。
〇矯正のメリット
矯正治療をすることで、歯並びを整えることができるので笑った時や外見の印象を向上させたり、歯並びの不正によって引き起こされる嚙み合わせの問題を改善することができます。また、歯並びが正しくないと歯磨きが難しくなり虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。歯並びを整えることでお口の健康を維持することができます!
〇矯正中の歯磨きの仕方
矯正装置の周囲や、歯と装置の間にプラークや食べかすが残りやすくなります。
歯ブラシを45度の角度にして歯と歯茎の境目に当てて磨き、矯正装置の隙間やブラケットの上下にも歯ブラシを入れてしっかり磨くようにしましょう!
歯ブラシだけでは届きにくいところや装置の隙間には、フロスや歯間ブラシを使用して清掃することが大切です。
また、矯正中は歯磨きがしにくくなるため虫歯のリスクも高くなります。フッ素は歯を強くし虫歯の予防効果があるので、フッ素の含まれた歯磨き粉を使用してください!
当院では矯正の無料相談も行っているので、矯正を考えている方は是非相談してみて下さいね!
千種区たなか歯科クリニック 歯科衛生士関谷
虫歯予防
みなさんこんにちは!千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の川元です。2月になりましたがまだまだ寒い日が続きますね。体調の変化に気をつけてお過ごしください。
今回は虫歯予防についてお話します。虫歯予防には歯磨きは勿論ですがフッ素も効果的な事はご存知かと思います。それでは他に何があるのかお伝えしていきますね。
まず、虫歯予防法で大切なことは3つあります。
1つ目は虫歯菌を減らすことです。虫歯菌を減らすということはプラークを取り除くことです。つまり歯磨きです。プラークは虫歯菌が作るネバネバの物質(バイオフィルム)によって歯に付着します。この付着力はかなり強くうがいでは取り除けないため歯ブラシで擦りとる必要があります。歯磨きの主な目的は歯肉に近い部分のプラークを取り除くことです。その為歯と歯肉の境目に歯ブラシの毛先を当てて磨くことが大切になります。また磨くタイミングとしては「食事をしたらすぐ磨く」ということが基本です。しかし、何度も歯を磨くことは現実的に考えて難しいと思います。なので現実的に朝食後、昼食後、夕食後で十分だと思われます。特に就寝中は唾液の出る量も減り細菌が活動しやすくなり虫歯のリスクも高くなりやすいです。よって、寝る前はよく歯を磨いてお口の中の細菌を減らしておくことが大切です。
2つ目は細菌の活動を抑えることです。例えば食習慣ではよく噛むことです。よく噛むことによって唾液が多く分泌され口の中の汚れを洗い流すのに有効です。いつも柔らかい食べ物をあまり噛むことなく食べているとプラークが歯に付着したままで細菌が繁殖増殖することになります。よく噛んで食べること、そしてできれば噛みごたえのあるものを食べることは虫歯予防に効果的です。
また、おやつなど食べる時は砂糖ではなくキシリトール入のものがおすすめです。また歯の成分になるリン酸やカルシウムを含むガムも歯の再石灰化に有効です。
3つ目は歯を丈夫にする事です。歯を丈夫にする為に大切なのがフッ素です。普段お使いの歯磨剤や検診毎に塗布しているフッ素で歯をコーティングし丈夫にする事が大切になります。また、フッ素洗口液も使ってもらえるとより虫歯予防に効果的です。
さて、今回は虫歯予防についてお話させて頂きました。歯磨きや食習慣など日々の積み重ねで歯を守れるかどうかが決まります。虫歯予防していく為にも4ヶ月に1回の定期検診にも通っていただいて患者さん一人一人にあったブラッシング方法もお伝えしたいと思いますので磨き方でお困りのことがありましたらお気軽にお話下さい!
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士川元
お口の中の細菌について
皆さんこんにちは(^^)
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛です。
今回は、口腔内の細菌についてお話ししたいと思います。口腔内には数多くの細菌が存在しており、一部は健康にとって重要な働きをする一方で、他の細菌は悪影響を及ぼすこともあります。
むし歯の病原菌としては、ミュータンス菌といわれるものがよく知られています。このミュータンス菌は、私達が食事やおやつなどで摂取する食べ物や飲み物に含まれる糖分を栄養にして増殖し、その際に菌の周囲にネバネバのグルカンというノリのような物質を放出します。これによって歯に強力に付着して、そこでたくさんの細菌の集合体が形成されます。これが増えて歯の表面の白い汚れとなったものが、プラークというものです。これらの細菌は、食事の糖分を利用して酸を生成し、歯のエナメル質を溶かしてしまいます。この酸の攻撃によって歯が弱くなり、虫歯が発生するのです。
また、歯周病菌は、歯周ポケットや歯と歯茎の間に入り込み、炎症や出血、歯茎の退縮を引き起こします。歯周病が進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯を失うことになるかもしれません。歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ”ジンジパイン”というタンパク質分解酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。
口腔内の細菌は、個人の口腔状態や生活習慣によっても変わります。例えば、歯磨きやフロスの不十分なケア、食事の内容や喫煙などの習慣が口腔内細菌の増殖を促すことがあります。
ですが、心配しないでください!正しい口腔ケアと定期的な歯科検診によって、口腔内細菌の数やバランスを正常に保つことができます。定期的な歯石除去やプロフェッショナルなクリーニングは、口内細菌の増殖を抑え、歯や歯茎の健康を維持するのに役立ちます。
また、食事面でもバランスの取れた食事や砂糖摂取の制限、十分な水分摂取も口腔内細菌の管理に役立ちます。そして喫煙は、口腔内の細菌バランスを乱すだけでなく、口内炎などの口腔トラブルを引き起こすリスクも高めますので、避けることをおすすめします。
口腔内の細菌が正常なバランスを保つことは、口腔内の健康に直結します。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを心掛けることで、健康な口腔状態を保ち、細菌によるトラブルを最小限に抑えましょう。
千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛南実