カルシウムって歯を強くするの?
こんにちは!千種区 たなか歯科クリニック歯科医師の島田実果です。
まだまだ寒い日が続いていますが皆さん体調管理にお気をつけてお過ごし下さい。
さて、時々患者様から「カルシウムを摂っていれば虫歯になりにくくなりますか?」と聞かれることがあります。
実はこれ、少し間違っています。大人になってから完全にできあがってしまった歯はカルシウムの移動がほとんどないと言われていて、カルシウムを摂取してもそれ以上歯は強化されません。
しかし、歯とカルシウムが大きく関係する時期があります。それは乳幼児期や乳歯が生え変わる時期です。
歯の象牙質と言われる組織にはカルシウムが多く占めています。なのでカルシウムは、大人の歯が作られる過程で重要な栄養素となってきます。
また、カルシウムは歯の一番表面にあるエナメル質という組織の「再石灰化」でも重要になってきます。
再石灰化とは、歯が脱灰(溶ける)することから守る唾液の自然治癒のメカニズムです。初期むし歯に対して、唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、エナメル質を新しく形成し、元の健康な状態に戻す現象です。
初期むし歯は酸によって歯からミネラル(リン酸イオンやカルシウム)が溶け出し、脱灰が見られる、つまり白濁は見られますが実質欠損がみられない状態のことです。初期むし歯が進行するか改善するかは、脱灰と再石灰化のバランスによります。
子どもの場合は大人の歯が生えてきても、まだエナメル質が薄いため、一度初期むし歯になると進行が早いと言われています。そんな時、唾液に含まれるカルシウムで再石灰化ができるようにカルシウムを摂っておくことが重要になってくるのです。
お子さんの歯を強くするためにも、特にカルシウムを十分に摂取できるメニューを実践し、丈夫で健康な歯に育てていきましょう。
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 島田実果
虫歯リスクが低い果物とは?
千種区の皆様こんにちは!
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の佐々木彩花です。
冬になると店頭に並び始める真っ赤な果実、いちご。口いっぱいに広がる甘みがあり、美味しいですよね♪ そんないちごの季節がそろそろやってきました!
3月から4月くらいの春後半にかけてがもっとも甘くて香りもよく、しっかりと熟した食べ頃だそうです。
そんないちごですが甘いのに虫歯になりにくい果物だということを知っていますか?
皆さんの中には、いちごは甘いのにどうして虫歯になりにくいの?と、疑問を抱いた方も多くいるのではないでしょうか?
虫歯になりにくいポイントが2つあります。
①いちごにはキシリトールが多く含まれている
②水分が多く食物繊維も入っていてお口の中に残りにくい
以上のことから甘い果物の中でも虫歯になりにくい果物だといえます。ですから間食にいちごはおすすめのようです。
おやつや小腹が空いた時に、ついつい手を出してしまうお菓子ですが、こちらも考えながら摂取する事で虫歯予防に繋がります。そこでケーキやチョコレートなどを食べるよりは虫歯になりにくい果物を選んでみるのもいいかもしれないですね!
甘くて歯につきやすいキャラメルやチョコレートなどはやはり虫歯になりやすいおやつといえます。また、酸性の高いヨーグルトドリンクやグレープフルーツも注意しなければなりません。
キシリトールが多く含まれている果物はいちごの他にプラムやラズベリーなどがあります。また、果物だけでなく野菜にもキシリトールは含まれます。
そして、りんご、桃、梨、ぶどう、キウイといった果物も、甘さがあるから歯に悪そうだなと思われてしまうことが多いのですが、水分がたっぷりと含まれていて食物繊維も入っていますので口内に残りにくいのが大きなメリットです。口内に残らなければ虫歯リスクは小さくなります。
果物でも少しだけ注意しなければならないのはバナナのようなタイプであり、糖度と粘度が高いために水分たっぷりの果物よりもリスクが大きくなります。
今回はキシリトールが含まれていることとお口の中に残りにくいものの2つのポイントから虫歯になりにくいということでいちごをご紹介しました。
間食の取り方で一番重要なのは虫歯の原因である糖質の量よりも糖質のとり方です。
お砂糖のたくさん使われたお菓子を短時間で食べきるよりも少量でも、口の中に糖質が留まる時間が長い食べ物ほど、むし歯になるリスクは高まります。
虫歯になりにくい果物でも食べている時間が長ければやはりリスクは高まると思います。
ですからダラダラ食べをしないこと、おやつを食べたら歯磨きをすることも忘れずに楽しく間食タイムをお過ごしください!
千種区たなか歯科クリニック 歯科衛生士 佐々木彩花
お口ぽかんのリスクについて!
こんにちは千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛です。
「お口ぽかん」という言葉をご存知でしょうか?
読んで字の通り、いつもお口が開いている状態のことで、近年この症状を持つお子さんが増えています。(口唇閉鎖不全、通称「お口ぽかん」)
お口ぽかんは様々なお口のトラブルと深い関係があります。
<お口ぽかんが引き起こすトラブル>
*虫歯
いつも口を開けていると、汚れを落としたり、虫歯菌を減らしたりする唾液の分泌量が減り、虫歯になりやすくなります。
*口臭
唾液の分泌量が減って口の中が乾燥することでニオイの原因となる細菌が増え口臭が強くなります。
*ウイルス感染
お口ぽかんの場合は口呼吸になります。鼻呼吸は鼻がフィルターの役割を果たしてくれるためウイルスの侵入を防いでくれますが、口呼吸はウイルスが体内入りやすくなり、ウイルス感染のリスクが高くなります。
*顔のゆがみ
噛み合わせが悪くなることで、顎の骨や目と口の間の成長に悪影響を及ぼし、面長な顔になるなど、顔の印象が変化していくケースがあります。
お口ぽかんはなぜ起こるのでしょうか?
お口を閉じなさいと注意してもすぐに開いてしまうことが多いと思います。もしかしたらそれは、お子さんの不注意ではなく、他に原因があるのかもしれません。
舌癖(リラックスした時に舌全体が上あごにピッタリとつき、舌の先が上の前歯の根元に触れるかどうかくらいのところにあるのが正しい位置です。下顎の中にダラっと横たわってしまっている状態を舌癖がある状態と言えます。)があると舌が歯を押して歯並びが悪くなるだけでなく、前歯が伸びるのを妨げたり、顎の形を変形させてしまいます。また奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない開口という状態になりやすく、お口ぽかんの原因になります。舌の力が弱い人は唇を閉じる力も弱くなり、お口ぽかんの原因になりやすい傾向があるので日頃から口周りの筋肉を鍛えることが大切です。
舌癖は舌の筋力が足りてないだけでなく、普段の生活習慣とも関係があります。*離乳食の与え方の問題
*指しゃぶりの癖が取れない
*乳歯の前歯が早く抜けてしまう
*いつも鼻がつまっている
などがあります。
お口ぽかんを防ぐお口のトレーニングもあるので気になるときはぜひ一度スタッフに相談してくださいね!
千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛 南実
「インプラントをするとMRIが撮影できない」は本当?
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。
残念ながら、歯を失ってしまった後どうするか? 大切なことですよね。そんな相談の時に、患者さまから こんな事を聞かれることがあります。
「私は時々、人間ドックや脳の検査で MRIをするんですけど、インプラントをすると撮影できなくなるんでしょう?」
「MRI前に検査技師さんから、『インプラントを外せるか、歯医者さんと相談してください』と言われました」
さて、インプラントを入れた方は本当にMRI検査ができなくなるのでしょうか……??
口腔外科出身である私の知識・経験から言えば、答えは「NO」です。
“インプラント”という言葉の意味は「イン(中に)」+「プラント(植える)」ということで、身体の中に埋め込む人工物はすべて「インプラント」ということになります。骨折の治療で骨を固定するボルト、心臓のペースメーカー、人工中耳、眼内レンズ、豊胸シリコン、入れ墨など、これら全部がインプラントと呼べます。
歯科分野でのインプラントは、喪失した歯の代わりに埋入する“人工歯根”。でも、今では「インプラント=人工歯根」のイメージが広まり、インプラントといえば歯医者での治療という受け止め方をしがちですが、もしかしたら お医者さんや放射線技師さんは、広義でのインプラントの事を言っているのかもしれません。
では、先生達は インプラントの何を心配しているのでしょうか? それはMRI検査の際の 『安全性』 と 『画像診断の精度』 です。
そもそも、MRIが どういった検査なのかというと、“強力な磁力を発生させ、体内の水分に共鳴させてキャッチした信号を画像として構成し、体の断面を様々な角度から診断する” ものです。
検査前に、「身に着けている腕時計やアクセサリーなどの金属類は外してくださいね」と言われるのが何故かというと、磁力に影響したり、診断画像の乱れをなるべく防ぐためなのですが、お口の中に固定されている金属は さすがに外せませんよね。
それでは、まず『安全性』についてです。
磁石に引き付けられるものを “強磁性体” といい、磁石に引き付けられないものを “常磁性体(非磁性体)” といいます。MRIは強力な磁場が発生するため、磁石に引き付けられる強磁性体があった場合、その影響で熱を発生したり、引き寄せられたりする危険があります。
では、歯科で使用される金属は強磁性体なのでしょうか?
強磁性体の代表的な金属は、鉄・ニッケル・コバルト・ステンレスですが、これが歯科分野で用いられるのは 義歯(入れ歯)、矯正装置 などです。すなわち、取り外しできる物ですね。MRI検査の際には外しておきましょう。
歯に装着する 被せ物に使われる金属の主な成分は、金・銀・パラジウム・銅・スズ・亜鉛・アルミニウム・インジウムなどですが、これらは皆 常磁性体なので心配ありません。
問題の歯科用インプラントはどうでしょうか? インプラント体の材質はチタンかチタン合金。これも常磁性体なのでOKです。
そう、“歯科インプラントは、MRIによる発熱などの悪影響は他の被せ物同様に無いため、『安全性』に問題なく検査が行える” と言えるのです。(ただ、被せ物やインプラントの中には「オーバーデンチャー」といって、入れ歯を支えるため上部に磁石が付いたものがあるので、これはMRI検査に支障をきたすため注意です)
MRI検査を受ける多くの患者様は歯科治療の経験があり、口腔内にはおそらく金属の被せ物が入っていることが多いでしょう。MRI検査でもし金属の発熱などがあるとするならば、それはインプラントに限らず、他の常磁性体金属でも発熱するはずです。でも、そんな事はありませんよね。
よって、インプラントなどの外せない口腔内金属によるMRI検査時の危険性に関しては、どうかご安心ください♪
次に、『画像診断の精度』について。
これは、金属の存在によって MRI画像の乱れや画質低下(アーチファクト)が発生するため、診断の妨げになってしまうというものです。
だから、検査技師さんは事前になるべく金属を無くしておきたいのですが、これが患者様にとっては大変です。 MRI検査のために口の中の金属を全て外して、検査が終わったらまた作り直し……、なんて負担が大きいですよね。外して治療中の間は、食事もままなりません。
それに、金属によってMRI画像に生じるアーチファクトの広がりは半径4~8cm範囲です(撮影法にもよりますが)。例えば、脳の診断のためにMRI検査をするにしろ、口腔から離れた距離にあるので、影響は少ないと思えます。
以上の様に、私は『歯科インプラントをしていても、MRI検査の画質を低下させることはあるが、安全性に問題はない』と考えます。
失った歯を補う方法は、やはりインプラントが最も優れた方法です。毎日しっかり咬める、という事は生活を豊かにしてくれます。それを歯科治療への誤解から、選択肢を狭めてしまうのは悲しいです。
ご自分の健康において、何を優先し、長期的にどう考えていくのか? そのお手伝いができればと思います♪ 迷っていること、分からないことがあればご相談ください。
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
甘い食べ物が原因?
こんにちは、千種区覚王山たなか歯科クリニック歯科助手・管理栄養士の三田村です。
皆さん、甘い食べ物が虫歯になる原因だと思っていませんか?
私も歯科で働くまでは恥ずかしながらそう思っていました。しかし実際は、歯の表面についた歯垢に虫歯をつくるミュータンス菌がすみつき、糖分を栄養にして酸を出します。この酸は歯の表面の硬いエナメル質を溶かし、その部分に穴をあけます。これが虫歯のはじまりだったのです。
酸性度の高い食べ物をいくつか挙げると、コーラ、スポーツドリンク、フルーツ、ドレッシングなどです。これらはPH4以下に当てはまります。ちなみに私たちの胃酸は1〜1.5の酸性度なんです。だからといって酸性度が高い飲食物を避けることは難しいですよね、、、
そこで今回は3つの対策を紹介したいと思います♪
⭐︎飲食したらすぐうがいをする
飲食した後水等でうがいをすることにより酸成度が下がります
⭐︎飲食した後すぐ歯磨きをしない(30分くらいあける)
酸で歯の表面が柔らかくなっている時に歯磨きをすると表面が傷ついてしまうので直後の歯磨きは避けましょう
⭐︎フッ素配合の歯磨き粉等を使用する
フッ素配合の歯磨き粉等で再石灰化を促しましょう
ここででてきたフッ素という成分は歯の表面のエナメル質を覆ってくれるので、歯をコーティングして丈夫にしてくれます。
歯の成分が溶け出して欠けてしまった部分にも、フッ素の力で修復してくれます。歯だけではなく歯垢や歯石を除去してくれる働きもあるので、つけてブラッシングすることで歯周病予防にもつながりますよ♪
歯だけではなくお口の中のトラブルを防いでくれるフッ素は実は多くの歯磨き粉に含まれていますが、950PPM以上の高純度・高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉を使用すれば、より虫歯予防に効果てきです。
私はチェックアップという歯磨き粉を使用しています◎
フッ素濃度がなんと1450PPM低刺激・低香料・低研磨と揃っているので、歯の表面であるエナメル質に良い歯磨き粉です。またカチオン化セルロースが配合されており、よりフッ素を歯の表面につけてくれるのでブラッシングにより虫歯予防効果を更にアップしてくれます。
非常に安価なので多くの人に試してもらいたいフッ素配合歯磨き粉です!