医院ブログ

唾液と腸内環境

千種区覚王山の皆さんこんにちは、たなか歯科クリニックの長谷川です。
今回も前回の続きから唾液の役割について、そして腸と唾液についての関係性をお話ししていきます。
前回は唾液の役割としてお口の中を清潔に保つこと、お口の粘膜を”ムチン”という成分で守っていること、この2つについてお話ししましたが、唾液にはまだまだ沢山役割があります。
まず、お口の中を中性に戻す役割です。お口の中は元々pH7の中性ですが、飲食をすると細菌の出す酸や飲食物などの影響でpHが酸性に傾き、歯のエナメル質から大事なカルシウムやミネラルが溶け出してしまいます。そこで唾液中にある重炭酸イオンと呼ばれる成分のお口の中のpHを中性に保ち、酸性を中性に戻す作用の働きが期待できます。
続いて、歯を補修する役割です。
唾液中に溶け出したリン酸やカルシウムなどの歯の成分は、時間をかけて唾液から歯に戻り歯が補修されていくのです。また、唾液中の糖タンパクは歯の表面を保護する膜をつくります。
また、細菌感染から守る役割もあります。お口の中を洗い流して清潔に保つ”自浄作用”だけでなく、体の中に入ろうとする細菌をシャットアウトする防御の役割の”IgA”という成分や、リゾチーム、ラクトフェリンなどによる抗菌作用で虫歯や歯周病菌などの細菌の活動を抑制しています。
さらに、唾液には消化を助けるアミラーゼという消化酵素が含まれており、飲食物に含まれるデンプンを分解して、消化を助けます。
他にも、食べ物をまとめて飲み込みやすくしたり、食べ物の成分が唾液に溶け出すことで味を感じさせる役割を持っています。
ところで皆さんは、腸活はしていますか?実は腸と唾液腺には関係があるのです。
先程紹介したIgAという成分を増やすコツとして、腸の免疫力を向上させることがあげられます。一見無関係のように思えますが、腸管の免疫の状態と唾液腺の免疫の状態は連動することが分かっています。つまり腸を整えて免疫力があがれば、唾液腺の免疫力も高まるということです。唾液中のIgAが増えると細菌やウイルスへの抵抗力がアップし、感染症の予防へ役立ちます。
腸管の免疫状態の改善には腸内の細菌そうのバランスを改善する食品が有効です。例えば生きた乳酸菌を含む乳製品、きのこ類や食物繊維が豊富なニラ、ネギなどがあげられます。
また、腸管免疫の改善には継続して摂取することが大切です。今日食べて明日効果が出るものではないので、普段の食生活の改善がとても大切です。食生活を変えて病気に負けない健康な体をつくりましょう。

どのような歯磨剤をお使いですか?

こんにちは千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛です。
はやくも梅雨が明けて天気の良い日が続いていますね。猛暑による熱中症にはみなさん気をつけてお過ごしくださいね。

今回のブログでは歯磨き粉の種類と効果についてお話ししたいと思います。普段お使いになっている歯磨き粉の成分表をチェックしたことはありますか?

歯磨き粉の成分は2つに分かれていて、「基本成分」と「薬用成分」があり、基本成分のみのものは化粧品と呼び、基本成分にプラスして薬用成分が配合されているものを医薬部外品と呼んでいます。これは薬事法によって決められています。
基本成分には以下のものがあります。
・ 保湿剤(ソルビトール、グリセリンなど)
・ 清掃剤(炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなど)
・ 香味剤(ハッカ、スペアミントなど)
・ 粘結剤(アルギン酸ナトリウム、カルポキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウムなど)
・ 発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)
・ 安定剤(安息香酸ナトリウムなど)
薬用成分には以下のものがあります。
・ フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど)→歯の質を強化して虫歯の予防や、初期虫歯の再石灰化による歯質の修復といった効果が期待できる成分です
・ ミネラル(リン酸カルシウム、マグネシウム、リカルデントなど)→歯の再石灰化に必要な成分で、虫歯の予防に寄与します
・ 塩化ベンザルコニウム・塩化セチルピリジニウム→殺菌効果のある成分で歯周病の予防に寄与する。
・ 硝酸カリウム→知覚過敏症になった歯面を一時的にほごしてしみるのを防ぐ効果を発揮します
・ 塩化ナトリウム・塩化クロルヘキシジン→歯垢を分解して歯面から浮かせて落としやすくする効果を発揮します
・ デキストラナーゼ→歯垢が歯石化して歯面に沈着するのを予防する効果があります
その他にも色々あります。歯磨き粉には虫歯や歯周病の予防以外にも知覚過敏に効果のあるものなど色々とあります。みなさんぜひ成分表もチェックしてみてくださいね。
そしてどのようなものが合うか、歯科医院で口腔内をチェックしてもらうことをおすすめします。
また歯磨き粉の使用量やフッ素の濃度は年齢によって変わりますのでその際に使い方もお話しさせていただきたいと思います。
毎日使用するものなのでぜひご自身に合ったものを使っていただけたらと思います♪
千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛

「セカンドカウンセリング」の大切さ

こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。

さて、「セカンドカウンセリング」って何でしょう?
言葉通り、2回目の歯医者さんでのカウンセリングです。

1回目のファーストカウンセリングは、初めて来院された時。患者様にヒアリングをして、医院に来るきっかけとなった お悩みやご要望を伺います。
当院の初診カウンセリングは、単に今痛いところ・気になること を聞くだけではありません。そうなった経緯、不安に感じていること、医院に気をつけて欲しいこと、目指す理想的なお口の状態、等についても詳しくお話を伺い、より患者様への理解を深めていきます。
そのうえで各種必要な検査を行い、適切な診断・治療計画作成するための資料どりをして、お痛みがあれば応急処置を済ませ、初回は終了です。
この問診・検査に基づいて、担当歯科医師が患者様の現状を分析、計画を立案いたします。

そして、セカンドカウンセリングです。

2回目来院時のカウンセリングでは、初診時の結果をふまえて
・患者様の現在のお口の中の状況(虫歯・歯周病・欠損・被せ物や詰め物の状態・咬み合わせ・歯並びなど) 
・治療計画内容・方針・期間 
・必要となる詰め物・被せ物の種類
・治療の選択肢
などを、実際に レントゲン・お口の中を撮影した写真・検査データ を見ていただいてご説明します。

皆さんも、色々と検査をした結果が気になりますよね?
「そういえば、今まで歯医者さんで色々検査をしたことはあるけど、検査結果まではきちんと聞いたことがないな…」という方、多いのではないでしょうか??
私たち たなか歯科クリニックでは、医院からの一方的な治療の押し付けにならないように、きちんと患者様に説明し、情報共有したうえで診療を進めていきたいと考えています。
歯科治療は、歯科医師や歯科衛生士が一方的に行っていくものではなく、患者様と一緒に協力し合い、共に歩んでいって、輝かしいゴールに向かい進んでいくものです。

そして、単純に「痛みを取る」だけではなく、
 どうしてそうなったか? 
 どうすれば再びそのような状況にならずに済むのか? 
 治療にはどのような意義があるのか? 
 今後、どのようにしていくのが望ましいのか?
などを、一度 患者様がご自分のお口の中の状況に対して客観的に向き合っていただき、より良く健康で幸せに過ごすための方法を、共に考えていきたいと思っています。

その為に私たちスタッフに何ができるかのご提案・ご相談がセカンドカウンセリングです。
そう、このカウンセリングは一方通行な説明ではなく、患者様と話し合っていく 打ち合わせの時間なのです。

たなか歯科クリニックは、カウンセリングや予防に力を入れている歯科医院。この取り組みが、千種区の皆さまの健康寿命促進につながっていくと嬉しいです(*^-^*)

千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠

根の治療の道具

皆さんこんにちは!名古屋市千種区にあります、たなか歯科クリニック歯科医師の木方です。
今日は根っこの治療とそれに使う器具の紹介をしていこうと思います。
まず、最初に根の治療をしなければいけない時がどんな時か、についてですが、幾つか原因があります。①神経は生きているが虫歯が神経まで達してしまっている場合。②神経の治療を以前に行っているが、痛みや根の先に膿が溜まってしまっている場合。③神経が生きている歯に被せ物を被せたいが、歯の角度的に神経を取らないと被せられない場合。
①の場合、神経を保護して残すことができる場合もありますが、残せない場合に根の治療になります。神経が生きている場合は、内部の汚れは②よりは少ないです。②の場合、根の先に溜まった膿が歯肉から出てくる場合があります。その際、歯肉にニキビのような膨らみができます。痛みを伴う場合は、治療が必要になりますし、痛みがない場合でも膿の大きさによっては治療を行います。③で神経を取ることは稀ですが審美面の改善のために被せ物を行う。その際に被せ物で歯の角度や位置を調整するために便宜的に神経を取る場合があります。

次に根の治療手順と使う道具についてです。
既に根の治療がしてある場合、古い材料を取るところから始まります。その際使うのがファイルと呼ばれる根っこの中を広げるのに使う器具です。他にはバーや古い材料を取るために作られたインスルメンツもあります。
材料を取り終えたら内部を綺麗にする必要があります。内部を綺麗にするためには根の形を知らなければなりません。そのためにはレントゲンやCTが必要になります。レントゲンの場合二次元ですがCTであれば三次元的に歯の形態を確認することができます。
形態を確認後は内部をきれいにしつつ、根の先まで器具を届かせ根の長さを測ります。その際、根管長測定器を使い長さを測ります。治療中にピッピと音が鳴っているのを聞いたことがある方もいらっしゃると思います。もしくはファイルを根の中に入れた状態でレントゲンを取ることもあります。
長さを測り終えたら最終的な薬を入れるために内部を広げる必要があります。内部を広げるためには、先ほどからたびたび出てきているファイルを使います。ファイルは手で使うものもありますし、ロータリーという自動でファイルを回転させてくれる器具もあります。
広げ終えたら最終的な薬を入れます。薬を入れる際に水平に力を加える場合と垂直に力を加える場合があります。それぞれの力の加え方に適した形の器具が存在します。
今日は根の治療について書かせていただきました。わからないことがあればお気軽にお尋ねください。

名古屋市千種区 医療法人TDCたなか歯科クリニック 歯科医師 木方奨

唾液の正体や役割はなに?

千種区覚王山の皆さんこんにちは、たなか歯科クリニックの長谷川です。
みなさんはお口の健康に唾液が欠かせないことを知っていますか?
唾液にはたくさん役割があり、単なる水ではなく、高機能な機能水といえます。
今回はそんな唾液についてお話ししていきます。
唾液は透明な液体なので、水分が姿を変えて口腔内に存在するものだと思っている方もいるかもしれませんが唾液の元々の正体は”血液”です。
水分を摂取すると、骨髄で血液がつくられ、その血液が唾液腺におくられ唾液へ作り替えられます。
水を飲んでそれがすぐに唾液に変わるわけではなく、まず血液になってから唾液に変わるという仕組みになっているのです。
唾液腺はお口の中に複数存在しており、大きさにより”小唾液腺”と”大唾液腺”に分けられます。耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つが”3大唾液腺”と呼ばれ、特にたくさんの唾液を作り出します。
1日の唾液の分泌量ですが、健康な成人の場合は1日に1000ml〜1500ml程つくられます。500ml入りのペットボトル2、3本ですから、想像するととても多い量に感じますね。1日のうちでも唾液の出る量には変化があり、特に就寝時には低下します。また加齢と共に分泌量は低下していく傾向にあるようです。
また、唾液の99%以上は水ですが残り1%にさまざまな成分が含まれています。成分は血液から運ばれてきたものだけでなく唾液腺で新たに作られたものもあります。
では、私たちのお口の中で唾液はどんなことをしてくれるのでしょうか?
まずひとつめは、お口を清潔に保つために役立っています。
唾液には食べかすや細菌を洗い流してお口を清潔に保つ”自浄作用”があります。唾液が減り、口の中が汚れやすくなると細菌が繁殖しやすくなります。すると、お口の中でプラークが増えていき虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
ふたつめは、お口の粘膜を守る役割があります。
唾液のねばねば成分である”ムチン”は潤滑油として粘膜を保護する作用があります。唾液が減るとお口の粘膜の潤いが足りず、傷がついて口内炎などになりやすくなります。
唾液はお口の健康を守るために24時間365日働き続けているのです。また、全身の健康維持にも重要な役割をしているといえます。
今回は簡単にお口の中の唾液の正体や唾液の役割についてお話しさせていただきました。次回ももう少し詳しく唾液の役割について、知られていない唾液と腸内環境の関係性についてお話ししていきます。

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