CTでみる根尖病巣診断

CTでみる根尖病巣診断

こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の満田誠です。

歯科での病状診断において、難しいものの ひとつに 『歯の神経の疾患』 があります。 何故なら、“神経は 歯の内部にあるので、見た目でだけは病状が判断しにくい” からです。

例えば、“歯に穴があいていて痛い” などであれば、原因は「虫歯があるのかな?」と察しがつきます。 でも、「虫歯も無いように見えるけど、この辺りの歯が何となく痛い気がする。触ると、他の歯と違う感じもあるし…。」というケースもありますよね。
この場合は 『何が原因でこの症状を生じているのか?』 という事をまず調べて、それに応じた治療を進めていかなければなりません。

具体的な診断としては、
・歯周病の検査 …… 歯茎に炎症はないか? 歯槽骨は吸収していないか?
・レントゲン検査 …… 見た目で分からない虫歯・亀裂・根尖病巣はないか?
・打診痛      …… コンコン触ってみて、過度な敏感さが無いか?
・冷温熱痛    …… 温度に対して過敏ではないか?
・電気歯髄診   …… 神経が死んではいないか?
などを行い、その検査結果・反応から 痛みの原因を探っていきます。

ただ、それでも判断が難しいことが度々あるのです。
「色々調べてみたけど…。診査上は どうも歯の神経が炎症を起こしているか、死んでしまっている気がする…。 でも、歯の外見や レントゲン写真では 健全歯に思える…。 う~ん、削ってみたり、被せ物を外してみれば もっと良く分かるのだけれど、本当に健全歯だったら それをしてしまうのは勿体ないな……」、という状況。
そう、最初にお話しした 『歯の神経の疾患』 の疑いです。

この問題を 解決してくれる検査に “CT撮影による三次元的画像診断” があります。

ひとつの例をあげてみましょう。
この患者様は、上の奥歯に何となく違和感がありますが、外見上は歯に問題があるようにはみえません。
レントゲン写真は、これです。

画像上は 何となく歯根の周りに影があるように見えますが、はっきりしません。
そこで、CTを撮って 更に詳しく調べてみました。

お分かりになりますか? 三次元画像では、同歯の根尖に病巣があり、骨の吸収像がハッキリと認められます。
レントゲン写真は 二次元画像であり、歯や骨など様々な組織が重なり合って写った影絵であるため、 その画像診査だけでは判断できなかったことが、一目瞭然でわかります。

この様にCTは、実際に歯を削ったり、被せ物を除去しなくても、色々な情報をもたらしてくれます。
CT撮影は 保険外の自費診療となりますが、原因がはっきりしない症状や なかなか治りが悪い病状診断には 有効な検査方法となりますので、ご希望の方はDrやスタッフに ご相談ください。

千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠

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