ちょっと気になる白い粘膜「白板症」
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。
患者さまのお口の中を拝見していて、ごく稀にですが “粘膜に ちょっと気になる「白斑」 がある” のを発見することがあります。
ほとんどの場合は 痛みなどの自覚症状もなく、患者様ご自身も 「指摘されないと存在に気づかない」 程度のものです。
しかし、口腔外科経験のある歯科医師である私的には、少々心配になり 『今後の安心の事を考えて、一度専門医療機関で検査されてみてはいかがですか?』 と、おすすめするのが……
“白板症(はくばんしょう)” と呼ばれる口腔粘膜病変です。
口腔粘膜、とくに頬・歯肉・舌にみられる “こすっても取れない、白色の板状 あるいは斑状の角化性病変” で、比較的40代以降の男性に多く見られます。
その原因は はっきり分かっていませんが、喫煙・アルコール・刺激性食品による影響、不適合な義歯・補綴物・歯の崩壊などによる慢性機械的刺激、ビタミンA不足、等も関係すると言われています。
この白板症の何が心配か といいますと……、これが “前癌病変” と呼ばれるものだからです。
その癌化率はWHOによれば、4.4~17.5%と報告されています。特に 喫煙者の方は、白板症が “口腔扁平上皮癌” に進展する確率が高く、注意が必要です。
よって、喫煙習慣のある方に 白板症を疑う病変を見つけた場合は、確定診断のために口腔外科での病理組織検査をお勧めしています。
その確定診断のうえで、まだ経過観察で良ければそれで良いと思います。慎重に予後を見ていきましょう。禁煙やビタミンA投与で治癒する事もあるようです。
しかし、それが既に癌化しているのであれば、早期の切除が必要となります。
実は、先日も口腔外科に病理組織検査を依頼した患者様から、「先生!初期の口腔扁平上皮癌だったけど、簡単な手術で済みました」と、教えていただきました。「検査してよかったー!」と、ホッとし、そして「見過ごしていたら大変な事だった!!」と、ドキッとした瞬間でした…。
口腔粘膜の変化は、一概に前癌病変が全てではありません。体調や咬み合わせ、炎症によるものもあります。心配性になりすぎるのも良くありませんが、気になる症状は ぜひ気兼ねなく私達に御相談ください!
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
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