CO(シーオー)を、虫歯にさせない!
こんにちは! 最近、「サウナでととのう」のにハマっている 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。
ところで、歯医者さんでの定期健診の時に、「CO(シーオー)」という言葉を耳にしたことがありませんか? COとは、歯科専門用語の略語で“Caries Obsevation”の頭文字をとったもの。日本語で言えば“要経過観察歯”となります。
虫歯は、その進行具合によってC1~C4に分けられ、COはその前の“0(ゼロ)”とも解釈できる初期段階です。
虫歯は、歯にいきなり穴が開いてしまうわけではありません。
まず虫歯の原因菌が歯に付着して 歯垢(プラーク)を作り、食物含まれる糖質を使って生み出された酸によって 歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出す現象である 『脱灰』 が始まり、内部がスカスカの状態となってしまって やがて穴があいてしまうのです。
でも、この “穴が開く一歩手前” の段階であれば、削らずに自ら修復が可能なんです!
それが 『再石灰化』 という、唾液が持つ素晴らしい自然治癒メカニズム。
脱灰が進行しても、アルカリ性である唾液が 細菌の作り出した酸を中和して洗い流したり、唾液が歯の表層から失われたカルシウムやリンを補給して 結晶を新しく形成し、元の健康な状態に戻す現象です。
再石灰化を促進するためには、気をつけなければならない事があります。
何よりも、歯垢をブラッシングなどできれいに落とすこと。酸を生み出す歯垢が歯の表面に付着し続けていたら、常に歯が溶けていってしまいますよね。
そして、唾液が充分に潤って 歯の表面に接触するようにしておくこと.
また、フッ素を配合した歯みがき剤をうまく使用することなども大切です。フッ素には、「酸の産生を抑制する」「歯質を強化する」「再石灰化を促進する」能力があります。
なお、脱灰と再石灰化は 食事をする度に私たちのお口の中で繰り返し起っている現象であるため、私たちの生活(特に食生活)に大きく左右されます。
前述のように、歯の表面は食後には酸性の脱灰の領域に入ります。その後、唾液の緩衝作用により再石灰化の領域に戻ります。間食などの少ない、規則正しい食生活ですと、脱灰と再石灰化とのバランスがとれ、むし歯になりにくい環境が守れます。しかし不規則にダラダラと食べたり飲んだりする食生活では、再石灰化に比べて脱灰の時間がほぼ同じ、あるいは長くなってしまうので、むし歯が発生しやすい状態になります。
よって、セルフコントロールやメンテナンスが上手くいっていれば、COは再石灰化によって修復できるという事になります。
COは痛みなどの自覚症状がなく、見た目も健全歯とほとんど変わりません。見た目では、よーく見ると 歯の表層が白濁していたり、茶色っぽくなっていることが多いです。レントゲン撮影してみると、歯の内部で一部密度が低いため 小さな黒い影として写ります。
そこまで判別できるようなCOだと、しっかり修復されるまでには 半年から1年程かかると言われています。きちんと虫歯に進行せずに治っていっているか、定期健診の時にチェックしましょう♪
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
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